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「人 技あればこそ  技 人ありてこそ」
2007/03/17(Sat)22:30
 
父子二代のピアノ 「人 技あればこそ、技 人ありてこそ」
大橋ピアノ研究所 創英社/三省堂書店 平成12年
piano151

私が、大橋ピアノってどんなピアノなの?と興味を持ち、この本の存在を知った時点で、すでに本は絶版になっていました。amazonなどでも在庫がない状態でしたが、ネットで検索しているうちに、プロ向けのピアノ部品の会社のサイトにこの本の在庫があることを知り、数年前にメールでお願いして手に入れました。

昭和33年創立の会社ですから、歴史的には新しいのかと思いきや、その時すでに大橋さんは62才、ヤマハやカワイの前身である日本楽器に明治42年、13才で見習い工となって以来の楽器製造技術者で、国産初のコンサートグランドピアノを製作していた方でした。

この本は、当初期待していたような読み物として楽しいというものではなかったのですが、淡々と大橋幡岩さんがピアノを製作した沿革・背景が大橋氏自身が残された資料を基につづられています。

初めは専門用語もあり、つまらなく思えたりもしましたが、次第にそのことが、ものづくりに徹してきた職人気質というものを浮かび上がらせているのに気付くのです。

遺されたご家族や友人たちが、貴重な存在だった職人の姿や国産のピアノ製作の歴史を純粋に書き残しておこうという気持ちから書かれたものだと思いました。





かいつまむと・・・

『6Hの鉛筆で引かれた設計図の向こうに音が聞こえる』・・なんて言う言葉を残した大橋大橋幡岩さんは、1909年明治42年に13才で日本楽器に見習生として入社して以来、山葉氏や河合氏の元で楽器製造を習い(技術を盗み)ながら独学で語学も勉強し,若くして日楽の誇る技術者になったのです。

大正15年にベヒシュタインから当時1万円(総理大臣と同額!)で技術者シュレーゲルが招かれ、彼に直接教わった大橋氏がコンサートグランドピアノを作ったのが昭和7年だそうです。それが国産の演奏会用ピアノの海外進出の最初だそうです。

その後、日楽に労使騒動が起きたり、ヤマハ・河合が袂を分かったり、戦争など紆余曲折を経て、大橋ピアノ研究所を創立したのが昭和33年の62才の時だそうです。

今でも、62才定年の年などといわれますが、当時、隠居などせず、一切の妥協を許さずに製作したいと、密かに木材を集めており、研究職でした息子さんを呼び戻して独立しようという気概は素晴らしいものです。当時33才の息子の巌さんと共に会社を創立して、昭和55年1980年に84才で永眠する直前までピアノ作りにせいをだしていらしたようです。その後、会社は息子の巌氏が引き継ぎましたが、平成3年になくなり、平成7年1995年に自主廃業なさったのが沿革だそうです。

中小企業のトップとして製作と経営の両方に携わりながら、国産ピアノの向上を求め、器械の改良をしてもみんなのためにと特許もとらなかった明治男の父親、そして、娘を嫁にやる気持ちで送り出していた息子さん、技術だけでも人柄だけでもない、その両方を持ち得てはじめて成せる職人の仕事を垣間見た気持ちがします。



今回、この本を読み返して、4600人の娘のうちの一人を持つ身として、大切に弾き続けなくては・・と、最近サボりがちだったピアノの練習にもう少し身を入れようと密かに誓う私です♪
この記事のURL | ピアノ(大橋) | CM(9) | TB(0) | ▲ top
コメント
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2007/03/21 21:55  | | #[ 編集] ▲ top
-  -
私もネットでこの本の存在を知ったのですが、
今となっては手に入れる事は出来ず残念に思っていました。
でも、こちらで概略でも内容を知ることが出来て
嬉しく思いました。
調律の際、大橋幡岩氏のお孫さんにお会いする機会に
恵まれたのですが、「大橋ピアノは和音の響きが綺麗なんですよ。でも、だからこそ調律が難しいんです」
とおっしゃってました。早く、和音の響きを楽しめるような
演奏をしてみたいです(^^;)ゝ
2007/04/18 06:43  | URL | いえこ #-[ 編集] ▲ top
- いえこ様へ -
大橋幡岩さんのお孫さんに調律していただいたのですか!
それは素晴らしい出会いをなさいましたね。

私も今回、自分のピアノのことをブログに書きましたことで、いろいろな方の想いに触れることができたことがとてもうれしいです。

最近、ややマメに(笑;)練習しています。私のピアノの先生も「しっかり音色を聞いて、音の調和に気を付けるように・・」とおっしゃいますが、耳を澄ましてボケ防止に頑張ります (^_-)-☆
2007/04/18 14:41  | URL | われもこう #-[ 編集] ▲ top
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2008/05/14 22:02  | | #[ 編集] ▲ top
- 管理人のみ閲覧できます -
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2008/05/20 18:53  | | #[ 編集] ▲ top
- キティママ様へ -
前にも書いたと思うのですが、管理人のみ閲覧の鍵付きコメントですと、左のコメント欄に記載されないのです。古い記事ですと、特別にチェックしないと気付かないのです。 お返事が遅くなりました <(._.)>


キティママ様も、前記事のhidaさまも鍵付きコメントの上に、メルアドなりURLは書かれていないので、こちらとしても、どの程度お返事して良いのかどうか迷うところです。

わたしは、ただ大橋ピアノを所持している一練習生ですので、そこまでは詳しくないのです (-_-)


しかも、こちらの回答は公開となりますので、鍵付きでコメントくださっているのであれば、もしよろしければメルアドを書いてくだされば、もう少しだけ余分?な情報はさし上げられるかも知れません。


お役に立てませんで、恐縮です。
2008/05/23 17:06  | URL | われもこう #-[ 編集] ▲ top
- キティママさまへ -
こんにちは

すみません、私の書き方が良くなかったようです・・・

鍵付きコメントですと、メルアドなどは公開されずに送れるので、逆に鍵付きでないと危ないのです。ただ、こちらがコメントに気付くのが遅くなるし、コメントへも公開できる範囲でしかお返事ができない・・・という意味でした(--;)

「いえこ」様とはコンタクトが取れたようですから、もうこれ以上はあまりないのですが、・・もう少しと言われれば不確定な情報や個人名を出すことになりますので、公開ではお返事できません。


今回は、気をつけてチェックしますので、もしご都合がわるくなければ、キティママさまのメールアドレスを鍵付きコメントの中に書き込んでくださいませんか。

お役に立てるかどうかはまったく未知数のいい加減情報なだけに、公開はためらうところですので、よろしければ、そちらへお返事をお送りします。



※  hida様も、もし、このコメントをご覧になったら、キティママ様のように情報を欲しい方がいらっしゃいますので、メルアドを教えていただくとありがたいです。
2008/05/26 10:25  | URL | われもこう #-[ 編集] ▲ top
- 管理人のみ閲覧できます -
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2008/05/26 18:30  | | #[ 編集] ▲ top
- キティママ様へ -
こんにちは

メールありがとうございます
いい加減な情報でしたので心配していましたが、バッチリでうれしい限りです。

大橋ピアノとの出会いを通じて、いろいろな方の想いと出会い通じ合えるというのは、とてもうれしいことです。

>和音の綺麗な温かみのある上品な音色
いつになったら奏でられるかわかりませんが、いつか!という夢を持って日々練習できること今の幸せを噛みしめています

贅沢な時間、どうぞお大切にお過ごしください。

今回は、また新たな出会いの素晴らしさを教えてくださってありがとうございます
2008/05/28 13:14  | URL | われもこう #-[ 編集] ▲ top
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